令和1年 宅建試験 問8

Aを注文者、Bを請負人とする請負契約(以下「本件契約」という。)が締結された場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

  1. 1本件契約の目的物たる建物に重大な瑕疵があるためこれを建て替えざるを得ない場合には、AはBに対して当該建物の建替えに要する費用相当額の損害賠償を請求することができる。
  2. 2本件契約が、事務所の用に供するコンクリート造の建物の建築を目的とする場合、Bの瑕疵担保責任の存続期間を20年と定めることができる。
  3. 3本件契約の目的が建物の増築である場合、Aの失火により当該建物が焼失し増築できなくなったときは、Bは本件契約に基づく未履行部分の仕事完成債務を免れる。
  4. 4Bが仕事を完成しない間は、AはいつでもBに対して損害を賠償して本件契約を解除することができる。
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正解:2

正解は2です。出題当時の民法では、コンクリート造の建物の請負人の瑕疵担保責任の存続期間は引渡しの後10年とされ(旧民法638条1項)、契約で伸長できるのは消滅時効の期間(10年)内に限られていました(旧民法639条)。したがって、存続期間を20年と定めることはできず、本肢は誤りです。(なお、2020年の民法改正により旧638条・639条は削除され、現在は注文者が不適合を知った時から1年以内に通知すればよいとされています。)

ほかの選択肢の解説

選択肢1

この記述は正しいです。建築請負の目的物である建物に重大な瑕疵があるためこれを建て替えざるを得ない場合には、注文者は請負人に対し、建物の建替えに要する費用相当額の損害賠償を請求することができます(判例)。

選択肢3

この記述は正しいです。注文者Aの失火により建物が焼失して増築が不能となった以上、請負人Bは未履行部分の仕事完成債務を免れます。なお、この場合、Bは注文者に対する報酬請求権を失いません(民法536条2項)。

選択肢4

この記述は正しいです。請負人が仕事を完成しない間は、注文者はいつでも損害を賠償して契約を解除することができます(民法641条)。