令和2年 宅建試験 問42

宅地建物取引業法8つの制限行為

宅地建物取引業者Aが、自ら売主として締結する売買契約に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)及び民法の規定によれば、誤っているものはどれか。

  1. 1Aが宅地建物取引業者ではないBとの間で締結する宅地の売買契約において、当該宅地の種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任を負う期間をBがその不適合を知った時から2年とする特約を定めた場合、この特約は有効である。
  2. 2Aが宅地建物取引業者ではないCとの間で建築工事の完了前に締結する建物(代金5,000万円)の売買契約においては、Aは、手付金200万円を受領した後、法第41条に定める手付金等の保全措置を講じなければ、当該建物の引渡し前に中間金300万円を受領することができない。
  3. 3Aが宅地建物取引業者Dとの間で造成工事の完了後に締結する宅地(代金3,000万円)の売買契約においては、Aは、法第41条の2に定める手付金等の保全措置を講じないで、当該宅地の引渡し前に手付金800万円を受領することができる。
  4. 4Aが宅地建物取引業者ではないEとの間で締結する建物の売買契約において、Aは当該建物の種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任を一切負わないとする特約を定めた場合、この特約は無効となり、Aが当該責任を負う期間は当該建物の引渡日から2年となる。
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正解:1

正解は1です。宅地建物取引業者が自ら売主となる売買契約では、契約不適合責任について民法の規定より買主に不利な特約は無効であり、例外として認められるのは通知期間を「引渡しの日から2年以上」とする特約だけです(宅建業法40条)。民法では、買主は不適合を知った時から1年以内にその旨を通知すれば、その後は消滅時効にかかるまで責任を追及できます(民法566条)。責任を負う期間そのものを「知った時から2年」に限る特約は、民法の規定より買主に不利になり得るため無効と解され、この記述は誤りです。※ 公式には、本問は1又は4のいずれも正解として取り扱われました。

ほかの選択肢の解説

選択肢2

正しい記述です。工事完了前の建物の場合、手付金等の額が代金の5%(250万円)以下かつ1,000万円以下であれば保全措置は不要ですが、中間金300万円を受領すると合計500万円となり250万円を超えるため、中間金の受領前に、既に受領した手付金を含む全額について保全措置を講じなければなりません(宅建業法41条1項)。

選択肢3

正しい記述です。買主が宅地建物取引業者である場合には、手付金等の保全措置や手付の額の制限などの自ら売主制限は適用されません(宅建業法78条2項)。したがって、Aは保全措置を講じずに手付金800万円を受領することができます。

選択肢4

この記述も誤りです。契約不適合責任を一切負わないとする特約は無効となります(宅建業法40条2項)が、その場合は民法の原則に戻り、買主は不適合を知った時から1年以内に通知すれば責任を追及できます(民法566条)。「引渡日から2年」となるわけではありません。公式には1又は4のいずれも正解として取り扱われており、4を選んでも正解です。