令和6年 宅建試験 問2

委任契約・準委任契約に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

  1. 1売主が、売買契約の付随義務として、買主に対して、マンション専有部分内の防火戸の操作方法につき説明義務を負う場合、業務において密接な関係にある売主から委託を受け、売主と一体となって当該マンションの販売に関する一切の事務を行っていた宅地建物取引業者も、買主に対して、防火戸の操作方法について説明する信義則上の義務を負うことがある。
  2. 2受任者は、委任者の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復受任者を選任することができない。
  3. 3委任契約で本人が死亡しても代理権が消滅しない旨を合意して代理人に代理権を与えた場合、本人が死亡しても代理権は消滅しない。
  4. 4委任は、当事者の一方が仕事を完成することを相手方に約し、相手方がその仕事の結果に対しその報酬を支払うことを約さなければ、その効力を生じない。
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正解:4

正解は4です。この記述は誤りです。「当事者の一方が仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対して報酬を支払うことを約する」のは請負の定義です(民法632条)。委任は、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって効力を生じ(民法643条)、法律行為でない事務の委託である準委任にも準用されます(民法656条)。仕事の完成や報酬の約束は成立要件ではありません(報酬は特約がなければ請求できません。民法648条1項)。

ほかの選択肢の解説

選択肢1

この記述は正しい記述です。判例は、売主から委託を受けて売主と一体となってマンションの販売に関する一切の事務を行っていた宅地建物取引業者について、買主に対し防火戸の操作方法を説明すべき信義則上の義務を負うとしています(最判平17.9.16)。

選択肢2

この記述は正しい記述です。受任者は、委任者の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復受任者を選任することができません(民法644条の2第1項)。

選択肢3

この記述は正しい記述です。本人の死亡は代理権の消滅事由ですが(民法111条1項1号)、この規定は任意規定と解されており、本人が死亡しても代理権が消滅しない旨の合意をしていれば、本人が死亡しても代理権は消滅しません(判例)。