平成30年 宅建試験 問7

債権譲渡に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

  1. 1譲渡禁止特約のある債権の譲渡を受けた第三者が、その特約の存在を知らなかったとしても、知らなかったことにつき重大な過失があれば、当該債権を取得することはできない。
  2. 2債権の譲受人が譲渡禁止特約の存在を知っていれば、さらにその債権を譲り受けた転得者がその特約の存在を知らなかったことにつき重大な過失がなかったとしても、債務者はその転得者に対して、その特約の存在を対抗することができる。
  3. 3譲渡禁止特約に反して債権を譲渡した債権者は、債務者に譲渡の無効を主張する意思があることが明らかである等の事情がない限り、その特約の存在を理由に、譲渡の無効を主張することができない。
  4. 4譲渡禁止特約のある債権をもって質権の目的とした場合において、質権者がその特約の存在について悪意であるときは、当該質権設定は無効となる。
正解と解説を見る

正解:2

正解は2です。判例は、譲渡禁止特約について悪意の譲受人からさらに債権を譲り受けた転得者が善意かつ無重過失であれば、転得者は有効に債権を取得し、債務者は特約を転得者に対抗できないとしています(民法466条2項)。債務者が対抗できるとする本肢は誤りです。(なお、2020年4月施行の民法改正により現在は、譲渡制限特約があっても債権譲渡は有効とされ、債務者は悪意又は重過失の譲受人等に対して履行を拒むことができる仕組みに変わっています。)

ほかの選択肢の解説

選択肢1

この記述は正しいです。判例は、譲渡禁止特約の存在を知らないことにつき重大な過失がある譲受人は悪意の譲受人と同様に扱われ、債権を取得できないとしています。

選択肢3

この記述は正しいです。判例は、譲渡禁止特約は債務者の利益を保護するためのものであるから、特約に反して債権を譲渡した債権者は、債務者に譲渡の無効を主張する意思があることが明らかであるなどの特段の事情がない限り、譲渡の無効を主張できないとしています。

選択肢4

この記述は正しいです。譲渡禁止特約のある債権を質権の目的とする場合にも債権譲渡と同様に扱われ、質権者が特約について悪意であれば、その質権設定は無効となります(判例)。